1人5分以上の一発芸をやることになった話です。
これまでの話(新人研修での出来事)はコチラ



僕は新卒でソフトウェアの会社に入り、
研修ではひたすら大声を出したり、丸太を切ったりしました。
とても辛い研修でしたが、達成感もすごく、「これからもがんばろう」と思えました。
そしてそのあとは、普通にPCを使ってプログラミングの研修をしていました。
すぐ怒られるしピリピリしていて厳しい研修でしたが、
慣れてきて、同期5人の絆も感じて、だんだん楽しくなってきていました。
そんなある日、僕ら同期5人(中居、木村、草薙、稲垣、僕)は定時後に呼び出されました。
定時後の呼び出し
呼び出したのはお世話係の国分先輩です。

今週末、君たちのために新人歓迎会をやるよ

それでね、新入社員は一発芸をやるのがこの会社の伝統なんだ
…なんということでしょう。
ネットでは「忘年会に一発芸をやる会社もある」みたいなのを読んだことがありますが。

歓迎会でやるの?新入社員が?

ほんとに歓迎してんのか?

自己紹介1分の後、一発芸を5分以上やってもらうからね。

長い…
そして、国分先輩は衝撃の一言をくれます。

ちなみに、社長が面白くないと判断したら、次の飲み会でもやることになるから頑張って
…
オ ワ タ /(^o^)\
さて、これは困りました。
一発芸なんてやったことありません。
幼稚園時代に「ダジャレ100連発」を親に披露したくらいです。
もし新入社員歓迎会で「ダジャレ100連発」なんて披露した日には次の日から会社に来られません。
5分以上という規定は守り、かつ社長の厳しいお眼鏡に叶う芸をしなくてはいけません。
これはなかなかの試練です。
絶望感が大きく、その日の夕食(ゴーゴーカレー)は味がしませんでした。
夜の一発芸会議
夜、会社の同期グループLINEはかつてないほど盛り上がって(盛り下がって?)いました。
中居「みんなどうするよ~」
木村「5分はやべえな。無理だこれ」
草薙「あと社長に認められないとやり直しってのもきついよね。なんかあの社長よく分からないし」
入社式などで数回、社長とは会っていますが、何を考えているかわからないようなタイプでした。
稲垣「普通の芸やって、面白いって思ってくれるのかな…」
木村「有名芸人のパクリだと認められないかもな」
僕「社員のモノマネとかやろうにも、まだ入社1週間だから無理だしね」
中居「こうなったら俺、パクリだけどインパクトのある、アキラ100%でもやろうかな」
稲垣「それ手元が狂ったら懲戒免職になるよ」
などと、やはりみんな困っている様子でした。
この会社はとことん悩ませてくるな…
木村「2人で漫才とかができないのがしんどいよな」
そう、歓迎会では必ず1人で一発芸をやるのが伝統らしく、
これがまた悩む要因でした。
草薙「あと、準備時間がないのもつらいよね」
今は水曜の夜です。
今夜と、木曜の夜が終わったら金曜に本番です。
一発芸やるってもっと早く言えよ…
稲垣「ネットで一発芸を検索してもいいの出てこないよ」
稲垣「ガラケーをスカウターにして、『ふん、戦闘力たったの5か。ゴミめ。』って言うとか出てきたけど、やったら空気凍るだろうな」
中居「そもそもドラゴンボールが全員に通じるか怪しいしな」
結局、
木村「俺なかやまきんに君のネタにするわ」
草薙「頑張っておもしろパワポをつくろうかな」
中居「やべえ決まんねーー」
稲垣「どうしよう、どうしよう」
と最終的に言い残し、この日のLINE会議は終わりました。
次の日の夜、同期LINEはあまり動きませんでした。
みんなやることは決まったけど、お互いけん制しあっていたのかもしれません。
みんなの進捗が気になりすぎてそわそわしていたのを覚えています。
新人歓迎会当日
5分以上の一発芸が強要されている新人歓迎会の当日がやってきました。
飲み会会場は座敷タイプで、前の方にステージのようなものが見えました。
頭の中では一発芸を練習してきましたが、
いざステージを見ると

あんなとこで何かやるの絶対ムリ
と感じたのを覚えています。
社長のありがたい話を聞いて乾杯し、
そこからはとりあえず上司にビールをついでまわりました。

ビールを注ぐときはラベルは上

注ぐの遅いよ
など言われ、

仕事以外でも学ぶことがあるんだな
と思いました。
そして、その時はやってきました。
いよいよ新人紹介の時間です。
僕たち5人はステージに出るよう言われました。
社員たちが拍手する中、
「ああ、嫌だ嫌だ嫌だ…」
という思いが込み上げてきましたが、
諦めて前へ出ていきました。
後編へつづく

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