新人歓迎会で一発芸を強要された話【持ち時間5分】(後編)

ブラック企業体験談

IT企業に入り、地獄のような研修を受けた後、

僕たちの新人歓迎会だというのに、5分以上の一発芸を強要された僕たち。


いよいよステージへ出るように言われました。

(この話は後編です。)
前編はコチラ

新人歓迎会で一発芸を強要された話【持ち時間5分】(前編)
1人5分以上の一発芸をやることになった話です。 これまでの話(新人研修での出来事)はコチラ 僕は新卒でソフトウェアの会社に入り、研修ではひたすら大声を出したり、丸太を切ったりしました...




僕ら同期5人(中居、木村、草薙、稲垣、僕、とします)はステージの方へ行き、社員たちの方を向いて並びました。

司会の席に立っている先輩(井ノ原先輩としましょう)は話したことはありませんが、優しそうな先輩です。


井ノ原先輩は説明を始めました。

「それでは、恒例の新人紹介に参りましょう!」

「社長が指名した順に、1分以上の自己紹介と5分以上の一発芸をしてください!」

名前順で稲垣がいつも最初だったけど違うのか

すぐ呼ばれるかもと思うと緊張するな

社長は、

「じゃあイケメンのお前、やれ」

と木村を指名しました。


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ウケる新人たち

木村は自己紹介の後、おもむろに脱ぎはじめ、スパッツ1丁になりました。

さすが元水泳部の木村です。

筋肉がすごい。


筋肉ルーレットなど、なかやまきんに君のネタをやっていると、会場にいた人たちはみんな爆笑でした。

おお、いい空気じゃん

そして目標の5分が経ち、ネタを終えました。

すると井ノ原先輩が

「では社長、講評をお願いします」

と言いました。

講評なんかあるのかよ




社長は、

「ネタは既存のものだけど、自己紹介を超クールにやってその後ハイテンションにネタをやっていたからギャップが良かった」

と審査(?)しました。


ということで木村は無事切り抜けました。

全員、拍手をします。

「あいつ…やるな」という空気が社員たちの間にも伝わったようです。

また、木村が嬉しはずかしな感じを出していたので、微笑ましかったです。


次に指名されたのは中居。

彼は、「50音ブラック企業セリフ芸」で挑みました。

これは何かと言うと、
・社員を誰か選び、
・50音のどれかを言ってもらい、
・その文字から始まる「ブラック企業」っぽいことを言う
という芸です。


芸の説明をした後、中居はまず社長に、

「50音のどれかを言ってください」

と言いました。


社長は「こ!」

と答えたので、中居は言いました。

「…」

「…ここでダメなら他でも通用しないよ?」


これがけっこうウケました。

中居はただ「ブラック企業」っぽいことを言うだけでなく、

ちょっと演技して間をつくった後に言うので、それが良かったんでしょうか。


他の社員が「て!」

と答えると、

「手当?つくわけないじゃん。」

とか、


また他の社員は当てられていないのに「お!」

と言い、中居が

「お前の代わりはいくらでもいるんだからな」

と言うなど、かなりの盛り上がりを見せました。


この芸は即興で考える必要はなく、

あらかじめ50音から始まるブラック企業っぽいことを考えておけばパニックになる心配もないという、素晴らしい芸です。

しかも観客を巻き込んで盛り上がれる。

う~ん、なるほど




社長の講評でも、「こっちの社員側も参加できて、何より盛り上がっていたから良いんじゃない?」と高評価(?)でした。

いい空気をつくってくれた。ナイス。


大スベりをする僕

そしてついに僕の番がやってきました。

芸を持っていない僕が悩み、考えた末に選んだもの、

それは、

「が~まるちょば」

でした。


モヒカンのビジネスマンがパントマイムしてるあれです。

「ちょっと練習すればできるかも?」なんて思っていましたし、

なによりこの芸は、「喋らなくていい」んです!

ただでさえ喋るのがヘタな僕は、人前に出たら絶対に喋れないと判断しました。

どもって微妙な空気になるのがオチだと思ったので、喋らない芸を選んだのです。

僕って天才かも




さて、結果はどうだったかと言えば、

「爆死」でした。

みなさんも読んでいて分かるかもしれませんが、

ちょっと練習しただけでパントマイムがものになるわけなかったんです。。。


僕の番が来てステージ中央に進み、一礼をしました。
(新入社員は礼儀が大事っていいますからね)

そこから唐突にパントマイム芸が始まります。
(この間、無音)


ビジネスバッグを持って歩いていくも、バッグだけ空中で動かなくなるパントマイム。

バッグを押しても引いても動かないパントマイム。


(この間、無音)


芸はどんどん続きます。

見えない壁があるパントマイム。


さて、このときどんな心境か知りたいですか?

ええ、このときの心の中はですね、

地獄ですよ。


無音の中、一人で謎の動きをする僕。

反応のない観客。

誰一人音を出してはいけない雰囲気。

静寂。


あれ?僕はなにをしているんだっけ




我に返る僕。

ああ、そうだ。新人歓迎会でパントマイムをやっているんだった。


そうだ、無事に家に帰れたらとっておいたカップ焼きそばを食べよう。


(このとき、残り時間3分)


せめて音楽を用意すれば良かった。。。

途中でやめるわけにもいかず、僕はパントマイムを5分間やりきりました。

体中、そして顔中から汗がふきだしていて、

汗をふかないと前が見えないほどでした。


そしてやっと地獄の時間から解放されました。

社長のコメント

社長の講評では、

「お前、やっててどうだった?」

と聞かれました。


「地獄の時間だったなと思います」

と答えたところ、


「こっちのセリフだよ!」

と返されました。


社員達は息を吹き返したように笑いました。

ステージ袖に帰って行くと同期から

「お疲れ」

「上手かったよ」

などとねぎらわれました。


社長には怒られ、社員達からは笑われ、

「明日から僕の居場所ないな…」

「大失敗をしてしまった…」

と感じ、その後のことはあまり頭に入りませんでした。

消えたい…




今思うと、社長も笑いに変えようとして「こっちのセリフだよ」と言ってくれたのだと思います。

助けられたのは間違いないです。


でも当時は、「怒られた」「笑われた」という印象だけが残り、

とにかくショックでした。


他の同期の芸

稲垣、草薙の芸は、僕はショックで覚えていませんでした。

後から聞いた話によると、

稲垣は世の芸人の芸をひたすらパクる「一発芸メドレー」、

草薙は得意のパワポを使った「おもしろ自己紹介」をやったそうです。


もう結末が読めているかもしれませんが、

稲垣はスベり、草薙は盛り上がったそうです。


飲み会での一発芸の反省と決意

最終的に、次の飲み会で一発芸を再度行う「やり直しの刑」は稲垣と僕となりました。

オリジナリティもなく、スベった僕たちには当然の刑でした。

またやんのかよ…

今回、新人歓迎会で一発芸をやったことで、たくさんの学びがありました。

他の人を笑顔にするのは、そう簡単じゃないんだな

オリジナリティのある芸、そして他の人を巻き込む芸がウケるんだな

そう考えると、中居の「50音ブラック企業セリフ」はいい芸だし、

僕たちのやった「ただの芸人のパクリ」は全然ダメだな、と反省しました。


稲垣と僕はお互いの傷を慰め合い、

必ず一発芸リベンジするぞと強く決意しました。

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