世の中には、守らなければいけないルールとそうではないルールがある。
憲法、法律、条令、モラルや常識、などとそれぞれ重さが異なり、ルールを破ったときの罰せられ方が異なる。
そんなことは皆分かっており、皆それぞれうまくやっているように見える。
3mの横断歩道で信号が赤でも、警官や子供が見ていなかったら多くの人は横断歩道を渡る。
ただ、会社のルールだけは皆頑なに守ろうとしているのはなぜだろう。
校則
学生時代、ほとんどの学校では校則があり、破ると先生に怒られた。
バイト禁止、茶髪禁止など色々あったが、校則を守るものも破るものもいた。
バイトは隠れてやっている友人もいたし、茶髪で怒られた友人は「地毛です!」と言い張っていた。
置き勉禁止
中学の頃、「置き勉」の禁止が校則にあった。
置き勉というのは、学校に教科書を置いて帰ることをいう。
最初に置き勉禁止が言い渡された時、反発する生徒がいた。
毎日投稿に使用するカバンは重い。各教科の教科書や普段は使わない資料集、さらには部活の道具も持っていかなければならないので、ごもっともな反発だった。
しかし先生は説明した。「家で勉強ができなくなるからダメだ」と。
僕は家庭教師の先生の教えで、(書き込めるよう)教科書のコピーをとっていたので議論に加わってみた。
「僕は教科書をコピーしているので、家でも勉強できる教科のものは置いて行っていいですか」
しかし先生の答えはNO。
理由は、「教科書を持って通学することは、体の発達のためでもあるんだ。」
確かに重い荷物を持って歩くことは結構な運動になる。しかし真夏の炎天下の下でも重い荷物を持たせるのはどうなんだろう。遠くから歩いてくる生徒もいるのに。
そう思っていたら友人が反論した。
「僕は運動部に所属しているので運動不足の心配はありません。置き勉していいですか」
運動部なら普段から運動しているし、少しくらい置き勉したところで問題はないはず。
しかしこれも聞き入れられなかった。
先生は「校則だからダメなんだ」と。
結局、先生にバレないよう柱の裏とかに教科書を隠して帰るしかなかった。
世のルールには理不尽なものも多く存在する。
「恋愛禁止」という校則がある学校があるらしいが、まさにそれである。
理不尽なルールに関しては、ルールを守らせる側でも理由を説明できないこともある。
そして、納得できないルールなんて守りたくない。
だからルールを守らなかったりする。ただし、バレて怒られるのも嫌なのでこっそり上手くやる。
信号無視とか、自動車の速度制限とか、こっそりルールを守らない人は多い。
でも、自分が勤める会社のルールに関しては皆絶対に守ろうとする。
会社のルール
社外秘の情報を外に出したり、出張旅費の水増し清算なんてことは皆しない。
でも、業務中関係ないことをしないとか、チャリ通勤が禁じられているからしないとか、そういう人は結構多い。
仕事中に関係ないことを気分転換として行うことはいいと思う。
少しの気分転換はむしろしたほうが生産性が上がるし、仕事をちゃんとやっていれば誰にも迷惑をかけない。
バレずにやれば問題に挙がることもない。
でもやっている人は少ない。
自転車通勤だってすればいい。
会社側が健康になることを奨励しているのだから、通勤時間を使って運動をしているのは素敵なことだ。
交通費が支払われているから申し訳ない?
社員には交通費を払うのが決まりなんだから、その社員がどう通勤してようが会社から見たら関係ない。
万が一バレて、チャリで来るなら交通費は出さないと言われたら「じゃあ電車で来ます」と言えばいい。会社は無駄に交通費を払ったことで損をしているか?
なぜそれでもルールを全て守るのだろう。
お金をもらっている側だから?
「校則を守らなくていいやと思うのは、学校にお金を払っている側であり、こちらの方が立場が強いから。」
「そして会社のルールは守る。なぜなら会社からお金をもらっている側だから。」
なるほど確かに上の意見は正しく聞こえる。
でもそうではない。論破できる。
学生時代のバイト経験がある人は胸に手を当てて考えてみてほしい。
バイト先のルールは本当に守っていただろうか。
カフェやコンビニで賞味期限切れになった商品は1つ残らず廃棄していただろうか。他のバイトと分けてこっそり持って帰ってはいなかっただろうか。
家庭教師でバイトをしていて、生徒の親から御礼の品や食事をいただいてはいなかっただろうか。
いや、していた(おい)。
ということは、人々が会社のルールを守るのは「お金をもらっている側だから」ではない。
お金をもらう側であろうが、ルールを守らない時もあるのだから。
では、一体なぜだろう。
会社イコール人生だから
これに尽きる。
多くの人は、今働いている会社が全てだと思っており、一生勤める場所だと思っている。
だから、万に一つもクビになるようなリスクをとることはできない。
ルールを守らなかったら出世の道から外れるのではないかと思い始める。
こうして、今まではルールによっては守らないものもあったのに、会社員になると途端に全てのルールを守るようになる。
盲目的な遵守
「ルールだから」と全て守ろうとするのは、ある種の思考停止だとさえ思う。
「彼女が言うことは何でも聞くよ。彼女が言うことは絶対正しいもん」と話す男がもしいたらヤバイ。
きっと彼女が言うことの中身なんて考えもせずに、ただ言うことを聞くことが正しいと思い込んでいるのだろう。
でもそれでは幸せになれない。
彼女の言う大事なことはもちろん聞かなければいけない。
「今月の家賃忘れずに払っといてね」とかにはもちろん応えなければいけない。
でも、「デート中は一切携帯触らないでね」と言われたとして、
「そんなこと聞く必要あるか?」と思ったなら、
トイレに行った時など、バレない範囲でルールを破ってもいいのではないかと思う。
会社のルールも同じだ。
例えば副業禁止規定があっても、国が「許す」と言っている以上、これは守らなくていいルールだと判断していいと思う。
バレないようにすればいいだけだ。
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