完成度よりスピードを重視するべしというアドバイスの難しさ

社会人コラム

若手社員向けのビジネス本は多く出版されている。

そこでよく言われるのが、「完璧でなくていいから早く出せ」である。

資料や提出物などを上司に出す時、自分が完成度100%だと思うものを時間をかけてつくるより、

60%ほどの完成度のものでもいいから早く提出した方が仕事は進み、評価も高いそうだ。


これにはたしかに納得である。

そもそも若手社員が自分で「完璧だ」と思う資料は、大して完成度が高くないことが多い。

若手社員が100%だと思うものも60%だと思うものも大差ない。

だったら、早い方が良いに決まっているのだ。

しかし、実際にスピード優先で仕事をしようとすると、これがとても難しい。

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スピード優先の難しさ

経験がない

僕らは小さな頃から、スピードを重要だと習ってきていない。

漢字の書き取りや宿題は、早く終わっても褒められなかった。逆に「もっと丁寧にやりなさい」と言われた。

食事だって「よく噛んで食べなさい」と言われてきた。

大学の研究室でも、提出が期限ギリギリになったときは「よく考えた結果」として見られていた。


それが社会人になると突然スピードを求められる。

でも急にスピード優先の頭にはならない。

だって今までスピードが褒められる経験なんてしてこなかったんだから。

スピードが褒められたのはかけっこくらいではないだろうか。

「分かっていない」と思われたくない

社会人になり、スピードの重要性を知っても、

自分の中で未完成だと思っている資料は提出したくない。

提出された側は、「完成度は低いけど、スピードを優先した結果だろうな」なんて思わない。

提出された資料を見て、この人がどれくらいのクオリティのものを出せるのかを判断してしまう。

だから、時間が多少かかっても納得のいく出来のものを提出したくなる。

「こんなことも分かっていないのか」とは誰も思われたくない。

スピードの評価は見えにくい

完成度の評価は、すぐに目に見える形で現れる。

発表資料などを上司に見せた後は、修正すべき点が赤で入る。

作成した資料が良かった場合、「今回の報告良かったよ」と言われることもある。


でも、提出までのスピードに関しては何も言われないことが多い。

あまりに遅い場合「まだ?」などと言われるかもしれないが、

提出が早くても普通でも、相手の反応は変わらないだろう。
(裏では「仕事が早くて助かるよ」と思われていたとしても)

だから多くの人は、完成度を上げる方にインセンティブを見いだす。

そして提出期限より早く提出することにモチベーションが湧かない。

「遅い」は「丁寧」ととられることがある

発表資料などを提出し、こことここを直せと赤が入って返ってきた場合。

速攻直して10分ほどで提出する人はあまりいない。

なぜなら、「何も考えずに、直せと言われたところだけ直した人」に映るから。

直せと言った側も、そんなに早く返ってきたのでは面食らうし、「ちゃんと考えてやっているのか」と思う。

「修正させている間に別の仕事をやっておこうと思ったのに…」と思う人もいるかもしれない。

実際には言われた部分だけ直していても、少し時間を空けた方が得をする。

少し時間を空ける必要がある。その上で、早い方がいいという難しさ。

このように、わざと時間をおくことが有効な場面がある以上、スピード重視の頭にはなりにくい。

発表資料についての経験

会社で、発表資料を上司に見てもらっていた。

提出し、指摘され、それを修正し、また提出する、の繰り返しだった。

10回くらいこれを繰り返したところで、「これはいつまで続くんだろう」と思い始めた。同期も同じことを思っていたらしい。

そして毎年、発表当日まで修正は続くらしい。

「もう完璧だろう」と思っても、修正は止まらない。


発表資料を修正していくうちに、

上司「ここはAよりBの方がいいね。書き直して」

上司「ここはAよりBの方がいいね。書き直して」

僕「!?!?!?」

ということもあった。

上司も、自分が直した資料の全てのバージョンを把握しているわけはないし、

部下の資料を添削するのも仕事のうちだから、このようなことが起きたりする。


このようなことがあると、どうせ発表当日まで修正は終わらないのだから、早く次のバージョンを提出しに行っても無駄なんじゃないかと思うようになる。

早い提出を心がけるよりも、上司の機嫌がいい時を狙って提出するようになっていた。

まとめ

特に若手社員が言われるように、提出物はスピードを重視した方がいい。それは間違いない。

社内での評価に関わってくるし、修正があった時に傷が浅くて済む。

でも、様々な要因から、僕らは完成度よりスピードを求めることは難しい。

会社での出世を狙っていないのなら、スピード重視にそこまでこだわらず、

自分の好きなようにやってもいいのかな〜と思う。

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